科学技術の啓発

科学技術に関する知識の普及を図るため、青少年から一般市民まで幅広く理解と関心を高めるようイベント等を開催しています。

  1. 「テクノ愛」の開催
  2. おもしろサイエンスの開催
  3. 科学館・技術館訪問研修の開催

2023年度科学館・技術館訪問研修開催結果

公益財団法人京都技術科学センターでは、夏休み期間中に、中学生・高校生を対象として、高い技術力を誇る企業等を訪問し、科学技術の素晴らしさや研究開発の楽しさ、面白さを学び、体験する研修会を開催しています。
今年度は、企業等からの依頼を受けて各種分析を行っている株式会社東レリサーチセンターと、炭素繊維複合材料で世界トップの実績を誇る東レ株式会社を訪問しました。

2023年度科学館・技術館訪問研修

開催日時 2023年8月8日(火) 午後1時30分~3時40分
訪問先 株式会社東レリサーチセンター 滋賀事業所(大津市園山3-2-11)
東レ株式会社 滋賀事業場(大津市園山1-1-1)
参加者 中学生・高校生・教員等 44名
主催 公益財団法人京都技術科学センター
後援 近畿経済産業局、京都府教育委員会、京都市教育委員会
研修内容 ◇「東レリサーチセンター」のお話
企業等からの依頼を受けて、エレクトロニクスや環境・エネルギーから医薬・バイオまでの幅広い分野を対象に、最新の分析機器を使って課題解決のために原因究明等の技術支援を行っている取組について、映像等を交えて詳しくお聴きしました。
【会社の概要等の説明】 【課題解決事例の説明】
【様々な電子顕微鏡像】 【X線顕微鏡像】

◇「東レリサーチセンター」の見学
4班に分かれ、電子顕微鏡等を使った極微小領域の繊維等の観察、プラスチックの強度を測定する引張試験、プラズマ(気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態)を用いた無機元素の分析等、実際に分析を行っている現場で、専門の研究員の方から、丁寧で分かりやすい説明をしていただきながら見学しました。
【電子顕微鏡の説明】 【繊維の拡大図】
【光学顕微鏡の説明】 【紙の拡大図】
【引張試験の説明】 【引張試験の様子】
【クリーンルームの説明】 【無機元素分析の説明】

◇東レ「イノベーションプラザ」の見学

1926年にレーヨン糸の生産会社としてスタートした東レ株式会社が、今日まで、基礎素材メーカーとして、新分野・新素材を開発して市場を切り拓き、創業時の繊維に加えて、樹脂、ケミカル、フィルム、さらには炭素繊維複合材料、電子情報材料、医薬・医療、水処理・環境といった様々な分野において数多くの先端材料や高付加価値製品を創出してきたことを展示・解説している「イノベーションプラザ」を説明いただきながら見学しました。

【東レの技術や製品の説明】

【参加者の印象&感想】
  • 実際の現場で、ポリカ―ボネートや電子顕微鏡などを見ることができ、研究することの楽しさを感じた。
  • 学校では使えない機器を見たり説明を聞いたが、これからの勉強で活かせる、ためになる内容だった。
  • 今まで見たことのないものばかりを目にし、大変貴重な機会になった。
  • 高校の今後の探究活動にも生かしていきたい。
  • 学校生活の中でも特に印象深い体験ができた。
  • 高校に行ってもっと理解できるようになったら、また来たい。
  • 説明がとてもわかりやすくて良かった。
  • 説明や見学だけでなく、体験もできるともっと良かった。
  • ヒートテックなど身近なものの具体的な仕組みを知ることができて良かった。
  • 身近な生物などを先進的な機器を使って観察し、その結果を利用して様々な製品を創り出していることがよくわかり、これからの自分の夢の実現に役立てたい。
  • PLAサンドチューブの研究は、分解される性質を生かした砂漠化抑制に役立つ、とても素晴らしいものだった。また、ノッチの有無により耐久性が全然異なるということも、印象に残った。
  • 糸の表面や断面の状態をまざまざと観察でき、さまざまな文献の文面から得られた知識が一瞬にして腑に落ちたような感覚が得られた。赤く染色された糸の試料を持参したが、100μmの世界では染色されていない部分があることが明らかになり、人間の目の限界と顕微鏡を使用しての解析の奥深さの一端を感じることができた。綿とポリエステルの構造自体にここまで大きな差があるのかと驚いた。
  • 火の色が元素によって実際に変わるのを見て、驚いた。

【東レ「イノベーションプラザ」前】

過去の訪問研修